STORY
オーストラリア・クイーンズランド州東南部にあるオーストラリア最大の観光地、ゴールドコースト。ブリスベンの南から何十キロも海岸線が広がり、人気の
サーフ・ポイントがいくつも存在する。
街は高級ホテルや高層ビル、大型サーフショップが建ち並び、華やかな大会が行なわれ、世界中からトッププロサー
ファーがやってきてパフォーマンスをする。ゴールドコーストでのサーフィンはビジネスである。
一方、ゴールドコーストと隣り合うバイロンベイの人々とってのサーフィンは、宗教ともいえる。人口5千人ほどのこの小さな町はヒッピーカルチャーの聖地で
あり、フリーサーフィンの礎を創り出した。
環境保護に熱心で、ゴールドコーストとは対照的に、町には路上で楽器を奏でる人、オーガニック食品を売る人、イ
ンドの織物を売る人などが見られ、自由で独特な空気が漂う。ビーチには何マイルもの未踏の波があり、ゴールドコーストで見るような波を奪い合うサーファー
の姿は見られない。バイロンベイのサーファーにとっての波乗りは日々の礼儀であり、儀式であり、信仰心である。
全く正反対のカルチャーを持つサーフタウン、ゴールドコーストとバイロンベイだが、近年、どちらも人口が増加し、それに伴い巨額の富も集まってきてい
る。巨大化したサーフィン産業が、美しい波とカリスマ化したプロサーファーを売り込む一方で、海岸線は混雑を極め、刻一刻と汚染が進んでいるのだ。
新進気鋭のアーティスト、サイラス・サットンは、美しい映像と個性的なアニメーションで、このサーフィンの2面性を描き、今一番大切なことはなにかを問いかけようとしている。
【OTHER SURFERS】
ラビット・バーソロミュー、ナット・ヤング、ボー・ヤング、ディーン・モリソン、ミック・ファニング
【STAFF】
監督・撮影・編集・アニメーション サイラス・サットン
配給:レイドバック・コーポレーション