Rick Rock インタビュー 2013
ショートボードデザイン最先端エリア「サンクレメンテ」
この地で30年もシェープを続けてきた”Rick Rockリックロック”
彼はシェーパー仲間達と共に新しいデザインについてディスカッションしてお互いのシェープ技術を高めてきた。
2013年のボードデザイン&素材マテリアルについて聞きました!
Naoto:2013年の新しい素材は何かある?
Rick Rock:今年のサーフボードは真っ白なフォームが注目されている。大手メーカーもこの流れになっているよ。
私が使用するのは、この「ARCTIC FOAM アークテック フォーム」
N:アークテック フォームの特徴は?
R:フォームの色は真っ白を越えて青みかかった色になっている。
やはりサーフボードはいつもでも白くありたいと思うだろう?
アークテック フォームは白さを長持ちさせる秘密も隠されているんだ!
“STRONGER. LIGHTER. WHITER.” より強く、 より軽く、そしてより白くをコンセプトに作られている。
もとはオーストラリアメイドだけどアメリカでクオリティーの高さを評価されて需要が拡大!
現在はメキシコに工場を構え操業している。
N:アークテック フォームの強度は?
R:セルの密度がとても高く強度は強く最高品質といえる。
軽くてとても強度があるのが特徴的!
ウルトラライトフォーム、ライトフォームの2種類が一般的に使用されている。
ウルトラライトは超軽量だけど強度は弱いのでチームライダー向き。
一般のサーファーにはライトフォームが適している。
N:フォームの種類は?
R:ポリエスターフォームのみ対応している。
EPSフォームは作られていないからね。
N:どのくらい白いのかなぁ〜?
左は従来のフォーム
右側は2013のNEWフォーム。
明らかに右のフォームのほうが白いだろう!
N:このフォームにはどんなレジン(樹脂)が適しているかなぁ〜?
R:エポキシレジンがベストだと考えている。
エポキシレジンの強度、復元力、柔軟性そしてアーテックのセルの密度を組み合わせれば最強といえる!
さらに真っ白なフォームと紫外線カットのエポキシレジンを使用すればボードは長い期間真っ白な状態が続く!
Naotoの「ROCK IT WING ロックイットウィング」はアークテックとエポキシレジンの組み合わせで作ったよ。
N:ワァ〜本当だ青みかかった真っ白なボードに仕上がっている!
R:ボードの重さも測ってみよう!
フィンがついていない状態で6ポンド(2.7kg)!
これは軽い!!
EPSフォームとエポキシレジンのボードの重さは?
5ポンド(2.2kg)!!
超軽い〜!!
EPSとアークテックフォームの差はわずか0.5kg!
これは今までにないフォームの軽さだ。
N:2013年ニューモデル「ROCK IT WING ロックイットウィング」について教えて
R:昨年は「ロックイット」の反響がよくオーダーも多かった!
広めのテール幅は浮力をまして推進力を増し、細めのノーズデザインはボードの動きを軽くしてくれる組み合わせが好評を得たのだと思う。
今年はロックイットをアップデートさせてウィングを加えた。
N:ウィングを加えた意味は?
R:ウィングを入れることでテール幅を小さくしてよりクイックでタイトなターンを可能にしてくれる!
ようするに昨年のモデルに比べテールを強く踏み込めるようになったということ。
そして掘れた波のセクションでウィングが波のフェイスをつかんでテールの抜けを防いでくれる!
N:とても乗り易そうだね!一般のサーファーでも簡単に乗りこなすことが出来そう!
昨日ニューポートビーチで「Bullet ブレット」を試したよ!
R:Bullet ブレットはオールラウンド使用できるボードとしてデザインした。
人気の高い「フライングソーサーモデル」のノーズデザインと「ロックイット」のテールデザインを組み合わせたのがBullet ブレット。
幅広のテールがどんな波でもスピードをキープして最速にボードは走る!
ほどよいラウンドノーズが安定した速いテイクオフを可能にしてキレのよいトップターンを決められる。
最高のコンビネーションだと思っている!
N:確かにテイクオフは滑り出しも良く速かった!
混雑している海でも確実に波を捕らえることができた。
そしてトップでのボードの返しもスムースでキレがあった!
ブレットはとても良い感触だったよ!
R:小波用の「THE SPUD ザ スパット」は試した?
N:ボードの幅が広く丸っこいから見た目は重そうなボードと思ったけど乗ってみてビックリ!!
とてもルースでボードは軽く動く!
動きが軽いのには何か秘密があるの?
R:ノーズのデザインとロッカーにその秘密は隠されている!
前からNaotoには伝えてあるけど「まん丸のラウンドノーズ」は私は好まない。
ノーズは重たく浮力が集中するから軽い動きが妨げられる。そしてノーズが丸過ぎるとノーズ部のレールがターン時に引っかかるからスムースなターンが出来ないのだ。
私はLOSTのラウンドノーズ5’5’’を手掛けてきたからラウンドノーズのデザインには誰よりもうるさいんだ(笑)
このTHE SPUDは、ほどよいラウンドデザインがノーズを軽くして動きを軽快にしてくれる!
ノーズの厚さも薄く仕上げてあるからドルフィンスルーも出来る!
ボード全体のロッカーも強めに入れてあるからルースにボードは動くワケ!
N:THE SPUDの意味は?
R:ジャガイモという意味!そのまんまの形だろ(笑)
N:Sweet Potato スイートポテトモデルはサツマイモだね(笑)
R:Sweet Potato スイートポテトモデルはTHE SPUDのダイアモンドテール版!!
The Spudのアウトラインをダイアモンドテールに仕上げている。
テール部のカーブに注目して欲しい。
The Spudのテールよりラインを少し細く絞ってある。
スィートポテトはパフォーマンス向きにデザインされているんだ!
このテールは踏み込めるからタイトなターンが可能だよ!
N:ダイアモンドテールの特徴を教えて?
R:ダイアモンドテールはスカッシュテールに比べてテールの面積と体積が少なくターン時の水の抵抗感が少なくなることで小さな力でもターンを簡単に行うことが出来る!またレールTOレールの切り返しも楽に行える!
ダイアモンドテールは幅の広いテールデザインに適していると考えている。
そしてターン時はダイアモンドテールのセンターの尖った先端が軸となってレールの切り替えをスムースにかつ安定的にターンをすることが出来る!
THE SPUDと Sweet Potatoは夏の波の小さいコンディションでも楽しくサーフィン出来るようにデザインしたんだ!
エアブラシデザインも明るいブライトカラーで仕上げたよ!
N:本当だ!夏のサーフィンのテンションが上がりそうなポップで明るいデザインがいいね!
今年の夏が楽しみになってきたよ!Thanks Rick!!